自撮りはどこまで許される?セルフィー急増と受入側の苦悩
過日投稿した痛い起業女子にならないために。プロはぜったいにやらない2つのことから派生した「起業女子の自撮り問題とホテル、カフェでセミナーや写真撮影はありかなしか」議論に様々なご意見をいただき、ありがとうございました。
あのあと受入側(ホテル、カフェ、飲食店の店長さんやオーナー)さんから何通もメッセージや問い合わせをいただきました。
全てに返信し終わり、私の中でいったん収束したかに思えたのもつかの間。
知人の経営するホテルで1つの事件が起きました。
ある女性が宿泊先のホテルの露天風呂にスマホを持込み自撮り写真を次々とfacebook、インスタグラム、ブログにアップ。
その写真にほんの少しだけ別の女性の裸の一部が写り込んでいたようで、写された方のお客様が不快に思ってホテル側にクレーム。
写真を写されたお客様の方は怒り心頭で「信頼できるホテルだと思って宿泊したのに、お風呂にスマホを持ち込むことを禁止していないなんて!ホテルの規約はどうなってるんだ」とブチ切れ。その顛末をこちらもfacebookで投稿し、あっという間にプチ炎上となりました。
このクレーム処理がうまくできずに騒動が大きくなり、訴える訴えないのトラブルに発展と大変なことになってしまい、もともと知人だった私にSOSの電話が来て、弁護士さんまで巻き込んであれこれ策を練り、なんとか解決となりました。
※私を昔から知っている人は、どのホテルの話なのかおわかりかもしれません。一応、これは許可を得て書いているので、守秘義務の範囲での投稿です。
撮影した方の言い分は、
「他の人の写ってた部分はあとでぼかして修正したからいいじゃん」
「ホテルの宣伝になるのに何が悪いの?」
「禁止って書いてなかったからルールはやぶってない」・・・と。
もちろんその後、すぐにホテル側はソーシャルメディアガイドラインと規約を作り、館内に張り紙もし、お部屋に注意事項を書いたプリント配布、ホームページでのご案内なども徹底しましたよ。
でもね、「他のお客様のご迷惑になりますので、浴室内にスマホを持ち込まないでください。浴室内での写真撮影は一切禁止します」なんて注意事項は、作る方だって本当はやりたくないんです。
いちいちこんなことまで書かないとダメなのか!と落胆してしまうわけです。
こうやってどんどんホテル内には「あれをやらないでください、これをやらないでください」という注意書きが増えていき、きちんとマナーをわきまえている他のお客さまにびっくりされてしまうんです。
これは日本だけでなく、世界中で問題になっています。SNSの普及とともに世界中でセルフィーが急増し、それに伴い今までなかった問題が発生。どう対応したらいいのか右往左往している受入側も多いはず。
製造物責任(PL)法ができたとき「猫を電子レンジで温めないでください」ということまで書かなきゃいけない件が話題になったことがありましたよね。
なんだかあれを思い出してしまいました。
写真を撮って間接的に宣伝してもらえることは、お店やホテルにとってありがたいことです。反面、こういうことが起きるのはとても頭が痛く、いつも現場のみなさんは、お客様との板挟みで苦悩しています。
残念なことにこういうことが1件でもあると、いろんなサービスが停止、休止になっていくんです。もう面倒だから露天風呂はなしにしようとか、どんどんいいサービスが辞める方向へ向かっていく。これはすごく残念すぎることだと思います。
私も写真を撮るのは好きです。
顔出しをしていないので、自撮りはしませんが、SNSでの写真投稿をすすめている面もあります。確かにみんなで写真を撮り、SNSにアップするのは楽しい。まして観光なら気持ちもゆるみ、あちこちで写真撮影をしたくなるでしょう。
ただ、他の方の迷惑になる行為はやはり遠慮すべきだなと思います。できれば、禁止事項が貼っていなくても、自らそういうのはやらない人でありたい。
SNS全盛時代に、私たちにできることはなんでしょうか。
今一度考えてみたいと思った夜なのでした。
【念のため補足】
起業女子の自撮りの件を冒頭に書きましたが、この写真事件を起こしたのが起業女子であるというわけではありません。あくまであの記事をきっかけに、それを見た方からこういう話があったということです。この点は、誤解のないようにお願いいたします。
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